相続
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Q.タワーマンションは相続税の節税対策になるといわれていますが、それって本当?

以前に比べ、相続税対策の効果は薄れていることもあるので注意!

相続税の節税のために、不動産を活用するのは非常に有効な手段のひとつです。というのは、不動産は、金融資産(現金、有価証券など)に比べ、評価額が低くなるからです。

しかも、マンションは、戸建に比べ階数が多いため敷地面積あたりの物件数が多く、土地の持ち分(住戸面積)が少なくなるので、購入した価格よりぐんと相続税の評価額が下がります。
タワーマンションの節税効果が高いと言われた理由は、価格が高い高層階の方が低層階よりも市場価値が高いのにもかかわらず、評価額が変わらないため、評価の差額が大きい高層階は節税効果が高いということです。さらに購入したタワーマンションを賃貸することにより、評価額が下がるので相続税の節税対策に役立ち、賃貸・売却が比較的円滑に行えることから、一時期運用性が高い資産として富裕層の間で人気となりました。

しかし、その恩恵も最近は少なくなりつつあると言われています。というのは、節税対策としてタワーマンションが注目されたことで、売買価格と相続税評価額の差があるという国税庁からの指摘があり、今まで同じだった低層階と高層階の相続税評価額を変えるようになり、それほど節税効果が見込めなくなっています。

そのほか、相続税の節税対策のつもりが認められなかったケースとして、購入したタワーマンション、同価格で売却したということがあります。これは相続後、購入価格とほぼ同じ金額で売却したため、再度、売却価格で相続税の申請をすることになりました。こういったケースもあるため、近年タワーマンションの購入が必ずしも、相続税対策になるというわけでないということです。

こちらの専門家が回答してくれました
税理士・公認会計士 安藤信之
響税理士法人 安藤公認会計士共同事務所 所長