Q.相続した土地家屋に価値がほとんどないときは、どうすればいいの?
A.活用しない土地は、税金がかかり重荷に
経済がなかなか成長しない現代、相続財産は子どもにとって、人生最大の収入だともいわれています。譲られた遺産は、相続人にとってありがたいものですが、マイナスの財産以外にも負担になるものもあります。
それが、売りたくても買い手のつかない売れない不動産です。なかなか売れないため、放置されている空き家が現在、増えています。不動産は本来資産ではありますが、20年以上経てば家は価値がなくなるだけでなく、土地を所有している限り、永遠に固定資産税を支払わなければなりません。当人にとって必要のない土地は、税金が継続的にかかるという負担があるので重荷となります。
空き家増加の問題は地方に限ったあ問題ではありません。今後、住む必要のない空き家が都市部にも増えると予想されています。国立社会保障・人口問題研究所のデータによると、2019年の5300万世帯をピークに日本の世帯数は下降の一途をたどり、2035年には4655万世帯まで減少すると推計されています。今後も現在のような住宅の供給が続けば、当然、空き家は増え続けるわけです。
では、相続した土地家屋に価値がほとんどない場合はどうすればいいのでしょうか? 相続した不動産が不要だった場合の対処としては、以下の方法があります。
- 売却をする
- 寄付をする
- 相続を放棄する
売却を検討するときは専門業社に依頼
それでは、ここからひとつずつの方法を見ていきましょう。
まず、売却処分からです。相続した土地が不要で、所有し続ける気持ちがないのなら、売るのが一番でしょう。本人が売れないと思っても、ほかの立場からすれば有効だというケースもあります。地元の不動産屋さんや大手の不動産会社に相談をして、売却の可能性を探りましょう。
現在は、無料で不動産売却の見積もりを数社一括でできる専門サイトもいくつかあります。「売れない…」とあきらめる前に、見積もりをとってみてはいかがでしょうか。
寄付はすべてのケースで受け入れてもらえるわけではない
不動産会社に依頼しても売れなかった場合、寄付という方法も検討します。ただし、その土地に活用する可能性がない場合は、いくらただで譲りたいと考えていても受け取ってもらえない場合もあります。
寄付の受け入れ先として、自治体、個人・法人(自治会や町内会などの認可地縁団体含む)があります。
自治体の場合は、担当窓口に相談して、自治体が受け入れ可能と判断したら、寄付となります。寄付をする側としても、どうせ寄付をするのなら有効に活用してほしいと思うものですが、自治体も使う目的のない土地や空き家の寄付を受け入れることはほとんどないことは覚えておきましょう。
個人の場合は、隣家などがほしいと思うケースがほとんどです。
相続前なら相続放棄をするという方法も
もし土地を相続する前であれば、相続放棄をするという方法もあります。ただし、不要だという土地以外も財産がある場合、その土地だけを放棄することはできません。相続はプラスの財産もマイナスの財産も、すべてを相続するか、すべての相続をしないかの2択だからです。
