相続
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Q.介護などで親の世話をしていた人がより多く相続することはできるの?

A.寄与分が認められることは難しいのが現実  

きょうだいの中のひとりが献身的に親の介護をしていることがあります。きょうだいがそのことを知っていたとしても、いざ相続となると法定相続とおり分けようといわれ、トラブルになることも少なくありません。一生懸命介護をしてきた人が少しでも多く相続できればいいのですが、残念ながら介護を寄与分と認めるはっきりとした法律はありません。寄与分というのは、財産を増やしたり、維持したりすることに貢献しているというときに認められる相続分の上乗せ分です。かなり長い期間にわたり寝たきりの親の介護をしていた人が、1日数千円分を計算して相続に上乗せすることを認められたという判例はありますが、これは本当に珍しい事例です。子どもが親の看護をするのは社会常識ととらえられることが多いので、介護にかかった実費や交通費以外は、なかなか認められないのが現状です。

ただし、事前に準備することは可能です。ほかのきょうだいよりも多く相続できるように親に遺言書に書いてもらうことです。または、介護が必要となったときに、きょうだいで事前に話し合あっておき、実費や交通費、介護料として支払ってもらうようにする方法です。介護ヘルパーを頼めば1日いくらかかるかを計算して、それの何割かを介護料として、きょうだいに負担してもらう取り決めをしてみてはいかがでしょう。相続のときにもめるくらいなら事前に合理的な取り決めをしておいたほうがいいのではないでしょうか。介護にかかった費用の領収書などそろえておけば、トラブルも少なくなります。

義父母の介護でも妻の寄与分は認められるように

最近は夫も介護休暇を申請するなど、妻だけが親の介護をするということは少なくなりつつあります。けれど専業主婦の場合、義父母の介護をひとりで背負うことは、今でもあるのではないでしょうか。今まではいくら妻が献身的に義父母の介護をしたとしても、嫁には相続権がないので寄与分はありませんでした。また現行の法律では、夫の相続分に妻の献身的な介護が寄与分として上乗せされることはほとんどなかったのです。献身的につくした嫁にとってはとても残念な話でしたが、40年ぶりに民法が改正され相続権のない嫁などが介護したときは、相続人に金銭請求できる法案が提出されています。この法案が通ると、献身的につくした嫁の貢献度が多少なりとも金銭として報われるようになるのではないでしょうか。

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税理士・板倉 京
株式会社ウーマン・タックス 代表取締役