相続
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Q.遺言書はどうやって書けばいいの?

遺言書の書き方には決まったルールがあります

ここでは、遺言書の書き方の手順を説明します。書き方は、遺言書の種類によって異なります。それぞれ、守らなければならないルールが決まっていて、そのルールに則っていないと、法的な効力を失ってしまいますので、気をつけましょう。
遺言書を作るときは、まず、自分の財産の洗い出しから始めます。財産をリストアップするときの大きな項目として、以下のものがあります。各カテゴリーずつ、「見える化」しておきましょう。

<財産リストの項目例>
(1)今ある財産
【プラスの財産】
・相続税のかかる財産
・みなし財産
・相続税のかからない財産
【マイナスの財産(借金やローンなど)】

(2)すでに贈与した財産

自筆証書遺言書の書き方

自筆証書遺言書の注意点は以下の4つです。
・すべて自筆する
・日付を書く
・署名をする
・押印をする

では、流れにそって説明していきましょう。

<「遺言書」と書く>
タイトルをつけるわけではありませんが、遺言書だとわかるように「遺言書」と明記しましょう。遺書と遺言書は別物なので、法的効力がなくならないよう、「遺言書」または「遺言状」と書きます。

<本文の書式、用紙、筆記用具は自由>
用紙や筆記用具は法律上、特に決まりはありません。ただ、鉛筆書きは後で改ざんされるおそれもあるので、ボールペンや万年筆などがのぞましいでしょう。

文章は縦書きでも横書きでもかまいません。ポイントはあいまいな表現は避けて、具体的に書くことです。不動産がある場合は、登記簿謄本を参考に正確に記載し、預貯金も種類や口座番号まで明記しておきましょう。

相続人に相続させるときは「相続させる」と書きますが、相続人以外の場合は「遺贈させる」と書きます。遺言執行者を指定しておくと、遺産分割がスムーズに行えます。

決まったフォームがあるわけではありませんが、以下のようなものが一般的な自筆証書遺言書です。文例などの参考にしてください。

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遺言書

遺言者◎◎◎◎は次の通り遺言する。

妻△△△△(昭和○○年○月○日生まれ)に、所有するすべての不動産を相続させる。
土地
所在 ○○市○○町
地番 ○○番○○号
地目 宅地
地積 123.5平方メートル
建物
所在 ○○市○○町○○番○○号
家屋番号 居宅
構造 木造瓦葺き2階建
床面積 1階68.88平方メートル
    2階46.73平方メートル

長男◇◇◇◇(昭和○○年○月○日生まれ)に、次の預貯金を相続させる。
株式会社××××銀行××支店
普通預金 口座番号××××××

付言事項
これまで、みんなに世話になったことを心から感謝している。特に妻△△には、心から礼をいいたい。
妻△△に住み慣れた家を遺すことを理解してほしい。長男◇◇には預貯金のすべてを遺すので、今後、お母さんのことはよろしく頼みます。

平成○○年○月○日
○○県○○市○○町○○番○○号

昭和○○年○月○日生まれ 遺言者◎◎◎◎ (印)
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<日付は年月日までしっかりと>
日付のないものは無効です。日付も自筆で、「○○年○月○日」とはっきりと書いてください。「○○年○月吉日」などのあいまいな書き方は無効になります。

<署名・押印をする>
遺言書の最後に自筆で姓名をはっきりと書きましょう。印鑑は実印でなくても大丈夫ですが、ゴム印の使用はやめましょう。

<封筒に入れて封印をする>
封筒に入れたり、封印をしなくても遺言書は有効です。ただし、変造などを防止のために封印をしたほうがいいでしょう。
発見されたときに遺言書だとすぐにわかるよう、「遺言書」と表書きをしておきましょう。

<書いた内容を変更する場合>
遺言書を書いて読み返したときに間違いを見つけたり、書き加えたいことがでてきたりすることがあるかもしれません。そうしたときは、後から訂正することが可能です。ただし、訂正や変更の方法は民法で厳密に定められているので、気をつけて修正する必要があります。手順としては次の通りです。

① 訂正・変更の箇所と内容を指示:文書の中のどこをどう変えるか指示します
② 付記に署名:指示した箇所に署名をします
③ 訂正・変更する箇所を修正または加筆:挿入なら挿入の印を、削除や訂正なら訂正箇所を二重線で消して修正をします
④ 間違えた箇所に押印:修正した箇所に押印します

修正が不十分な場合は遺言書が無効になりますので、修正内容が重要なときには書き直したほうがいいといわれています  

公正証書遺言書の作成手順

公正証書遺言書は専門家が作ってくれるので、法的に有効かどうかの心配はありませんが、作成のための準備が必要です。流れに沿って説明していきましょう。

<証人2人以上を確保する>
公正証書遺言書作成のときには、証人2人以上の立ち会いが必要になります。証人には、未成年者や相続人となる見込みのある人、遺贈を受ける人などはなれません。そのほかの親戚や知人、税理士などの専門家などに依頼をしましょう。

<公証役場で打ちあわせをする>
印鑑証明、戸籍謄本、登記簿謄本、証人の住民票などを持って公証役場へ行き、公証人と遺言書の内容について打ちあわせをします。自分で遺言書を書く必要はないのですが、原案を作成しておくと話がスムーズに進みます。もしも公証役場に出向けない場合は、有料になりますが、公証人に出張を依頼することもできます。

<公証役場で遺言書を作成する>
遺言書作成当日は、証人2人以上と公証役場に出向きます。遺言者が証人の前で遺言の趣旨を口述し、公証人が口述した内容を書き取ります。書き終えたら、その内容を遺言者と証人に読み聞かせます。遺言者と証人、公証人それぞれが、遺言者の意に沿ったものかどうかを確認して署名・押印をします。

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こちらの専門家が回答してくれました
税理士・羽田リラ
株式会社ウーマン・タックス 代表取締役