相続
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Q.保険のかけ方によって相続税が高くなることがあるの?

A.生命保険は加入の仕方で税金が変わります

生命保険保険については、相続に備えて準備することは、非課税枠を使って節税対策できる理由も話してきましたが、加入の仕方で税金も変わるので注意が必要です。

出典:板倉京『相続はつらいよ「もめるケース」から考える相続対策』(光文社知恵の森文庫)より  

相続税対策の場合は、生命保険の被保険者が保険料を負担する必要がありますがそれ以上に上記の表のように、専業主婦の妻の分を夫が負担しているケースがあります。しかし、保険金の課税関係を考えずに、専業主婦の妻の分を夫が負担しているという方もいらっしゃいますが、そういう方は要注意です。  

① の場合は、被保険者が保険料を負担しているので相続税の対象になりますが、②のように夫が保険料を負担しているケースで、妻が亡くなり、この保険金を夫が受け取ると相続税ではなく、所得税になります。この場合の所得税は一時所得といって、税金が比較的低くおさえられています。たとえば、3000万円の生命保険に入っていて、保険料としてすでに2000万円支払っていたら、3000万円−2000万円=1000万円が一時所得になります。所得税は、この一時所得から50万円差し引きなおかつ1/2にしてから計算します。今回のケースでは、1000万円−50万×1/2=475万円に対して所得税がかかるのですが、所得税と住民税の最高税率(所得税45%・住民税10%)でも約261万円になります。  

生命保険にかかる所得税は比較的小さいのでいいのですが、注意したいのが③の贈与税がかかるケースです。母親が亡くなって保険金が支払われたとしても、支払っている父親が生きているので子どもが受け取ると贈与税の対象になります。3000万円を受け取ったとしても、約1000万円を贈与税として支払うことになるのです。このように生命保険は加入の仕方によって税金が変わるので注意が必要です。  

相続税タイプの生命保険は受取人を誰にするかが大事

そしてもうひとつ、相続税タイプの生命保険で気をつけたいのが、受取人を誰にするかということです。夫が亡くなったあとの老後資金として妻を受取人にする場合はいいのですが、それなりに資産がある家庭は、生命保険の受取人を妻にするよりも、子どもにしたほうが相続税対策になるときがあるからです。妻は1億6000万円、もしくは法定相続分のどちらか高い方までは相続税がかからないので、そうした妻に生命保険の非課税枠を使うのはもったいないからです。子どもを受取人にすることでトータルすると相続税が安くなることがあるので財産のバランスを見て検討しましょう。

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こちらの専門家が回答してくれました
税理士・板倉 京
株式会社ウーマン・タックス 代表取締役